一水会への街宣行動に対する木村三浩の見解
(平成27年4月17日)
四月十三日(月)、四月十六日(木)の午後二時頃よりの時間帯に一水会事務局前で街宣が行なわれました。
街宣の主旨は以下のものです。
1.先の鳩山由紀夫元首相とともにクリミアを訪問した、私、木村三浩に対する抗議。
2.民族革新会議議長の犬塚博英氏(一水会創設メンバー、OB)が創設に関わった一水会の伝統を木村が汚しているというもの。
3. 木村は右翼を辞めろという主張。
街宣活動を行なっている人物は民族革新会議のメンバーでもあり、盛道烈士會の盛義一氏であります。
まず街宣で語られている盛氏の主張に対し、私の意見を述べます。
【1について】
ア.鳩山氏とクリミアに行ったことについては、四月八日の一水会フォーラムでも述べました。私はとんでもないことだと思っておりません。新右翼運動の画期的な運動として評価をして下さる方も多くいます。これらの内容については、各媒体でも発表しており、五月一日発行の「レコンキスタ」にも掲載致します。
イ.私はこう考えます。運動には様々なアプローチがあっていいと思います。我々の政治的目標は戦後体制の打破を目指すことが主眼であり、その観点からすれば対米自立の一致点を持った認識と行動はむしろ積極的に実施されなければならないものであると考えます。今回のクリミア訪問は一つの問題提起であって、運動団体としてとやかく言われる筋合いはないと思いますが、大いに結構で論論は耐えられるものとして頂きたい。またウクライナ問題を契機として、日本政府が欧米追従の経済制裁を課した結果、日ロ関係は冷却し、北方領土交渉の進展が見えなくなったことを打開する意味もあるのです。むしろジャーナリストではなく、活動家がやるべきことだと思います。
また、鳩山氏に関する過去の言動などに対する批判は確かに存在します。しかし新右翼の立場として情報を提供することによって発想や考え方が変化する可能性も大いにあります。その部分においては生成発展を期すことは当事者の力量によるものであって、それを第三者が先入観を持って、とやかく言うことではないと思っています。議論を通して、信頼を醸成し、我々の考えを理解して、発言してもらえばよいのです。
【2について】
犬塚博英さんは一水会の創設メンバーであり、OBであります。しかしながら、ここ三十年以上における一水会の活動運営は世代が変わって、様々な方に支えられて築いてきています。これまでも木村を中心に事務局会員、支部会員、「レコンキスタ」購読有料会員によって運営されてきていました。もちろん一緒に活動し、独立していった人もいます。
顧問をやっていただいた犬塚さんからは昨今、鈴木邦男顧問に対する意見の相違で、論争を展開することも求めておりました。
しかし、これまでご両人が様々な会合で臨席することもありましたが、会話があまりなされませんでした。実は、昨年に犬塚さんが集会を開かれましたが、鈴木顧問が出席を辞退し、問題が根本的に解決には至っておりませんでした。この問題は、本質的には当事者間で解決するのが最良であって、周辺がそれに巻き込まれることは好ましい事とは言えません。最終的には「レコンキスタ」やその他の紙媒体で対談をして頂く事などが担保されております。いつになるかという時期の設定はされておらず、まだ双方の確認(時期)段階にあるといえます。したがって、この問題を理由として文句を言われることはないと考えます。
今回の鳩山訪問への批判はここ数年続いている当事者間の見解の違いなどが集約された形で、ある意味で、一水会批判のための奇貨として浮上してきたものがあると思います。様々な立場が入り混じって一水会に対する街宣が行なわれているのでは、と想像しております。
【3について】
街宣の中でも「一水会の会員に対してではなく、木村に対する文句だ」と言っています。私は四月十六日の午後に直接、盛氏の携帯電話に連絡をしました。なぜなら文句がある相手が私である以上、当事者として、まず会って、文句を聞き、それに対する反証をしなければなりません。そして、会うためのアポイントを取ろうとしたのですが、盛氏は電話に出ることもなく、応答はありませんでした。私はその時に都内の別の場所におり、私が盛氏に電話をかけている最中に、あとで聞いたのですが「電話なんて出るわけないだろ!」と街宣で叫んでいたということでした。これは事務局員から聞きました。
そのような経緯も含め、今回の街宣活動を盛氏らがユーチューブやSNSなどに公開していることもあり、こちらの立場も表明しておかなければならないと考え、ここに経緯を書かせて頂きました。
我々も街宣活動を実施したこともあり、中核派に対する五十二日間の闘争など、政策の違う者同士が批判等をしたこともあります。したがって、我々がそういった街宣を仕掛けられないとは限らず、その様なことは理解しています。
左であれ、右であれ、政治的行動の一形態として街宣という手法を取ることはしばしばあります。繰り返しますが、活動には様々なアプローチがあってよいはずで、「右翼だから」という定式化した型はありえず、それぞれが理念、目標を掲げ、思想と行動を具現化していけば良いわけです。
一水会はそれこそ四十数年の歴史を持ち、「レコンキスタ」という購読者を持つ、新右翼団体です。この団体の活動を発展させることによって、目標が成就される以上、活動を続けていきます。
どうも今回の街宣は、言い掛かりの類いであって、何か裏があるように思えてなりません。我々は対米自立・国家革新の活動を展開しますが、それぞれが天下国家のことを担っていくことが重要であり、内向きの行動では発展は望めません。その根にあるものは理不尽な嫌がらせ以外の何物でもありません。これが右翼人のやることとは思えません。やはり天下国家の思想である以上、それに見合った振舞いが必要になっていくと思っております。
いずれにしても、図らずもこういう形で街宣行動を受けていることは私の不徳の致すところであり、ご近所の皆様、事務局員にご心配をおかけしてしまい申し訳なく思っております。
(四月十七日)